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20.「見た目」の向こうに何が見えるか

 人は見た目で判断することが多い生きものです。ただ、それが良かったのかそうでなかったのかは結果に教えてもらうしかありません。

 最近ではあまり目にすることのなくなったネジバナという野草があります。5月頃から花をつけますが、よくみると名前のとおり他の花とはちがう咲き方をしていて特徴のあるかわいい植物です。

 その花を前にしてあるふたりが会話をしています。

 「このネジバナという花だけど、ほんとにグルグルとねじれながら咲いていてめずらしい花だよね。他の花のように素直に咲けばいいのに、これってなんかひねくれているのかも」

するとひとりが

 「そうかもね。でもなんか違う気もする。多分、この花は神様にあなたはこうやって咲きなさい、と言われたのでその通りに咲いているのかもしれない。そうだとすればひねくれ者どころか、素直な花じゃないのかな」

 「だとしたら、ふつうに咲いて見える花の中には神様の言葉にさからっているものがいるのかも知れないのか。ひねくれ者はこっちだったりすることもありえる、ということか」

 この世の中には「見た目どおり」と「それとはうらはらに」が混在しています。「見た目」の向こうに何があるのか。そこに心の目を向けることは私たちにとても大切なことだと言えるでしょう。